VelphaDocs
資産運用のイロハ第3章 投資信託を理解する

3-3 分配金とは何か

分配金を、ファンドの資産の一部を投資家へ支払うしくみ

3-2 では、投資信託の運用方針をインデックスとアクティブに分けて見ました。次に見たいのは、投資信託から出ることがある 分配金 です。分配金は、単にもらえるお金とだけ捉えるのではなく、ファンドの純資産、基準価額、投資家から見たトータルリターンがどう動くのかまでつなげて見ることが大切です。

このページで押さえたいこと
  • 分配金は、投資信託の資産の一部を投資家へ支払うしくみです。
  • 中の株式が配当を出していても、それがそのまま投資家へ分配されるとは限りません。
  • 分配金が支払われると、ファンドの純資産はその分減ります。
  • 基準価額は純資産を口数で割ったものなので、分配金が出るとその分下がります。
  • 投資家から見た結果は、今の評価額受け取った分配金 を合わせて見ます。

1. 分配金は、ファンドから投資家へ出るお金

投資信託の分配金は、ファンドの中にある資産の一部を、投資家へ支払うしくみです。投資信託は、投資家から集めたお金をまとめて運用し、その中で株式の配当、債券の利子、売却益などを得ることがあります。これらの収益などを、決算時に投資家へ支払う場合があります。

ここで分けたいのは、投資先からファンドに入るお金 と、ファンドから投資家へ出るお金 です。たとえば、ファンドの中に入っている企業が配当を出していても、その配当がそのまま投資家へ現金で還元されるとは限りません。ファンドの方針によって、投資家へ分配することもあれば、ファンドの中に残して運用を続けることもあります。

純資産の一部を切り取って、投資家へ分配する
投資先の株式から配当と値上がり益、債券から利子と値上がり益を受け取ってファンドの純資産が積み上がり、その一部を決算で投資家へ分配します(数値は概念的な概算)。
投資先株式A株式B国債社債配当・利子・値上がり益投資先からの収益でファンドの純資産が積み上がるファンドファンドの純資産(110億円)株式55%債券30%現金15%決算で一部を切り取って分配 → 5億円(1口あたり 500円)投資家投資家A100口5万円投資家B300口15万円投資家C50口2.5万円

2. 分配金を出すと、純資産と基準価額は下がる

分配金は、ファンドの外から新しく足されるお金ではありません。ファンドの資産の一部を投資家へ支払うものです。そのため、分配金が支払われると、ファンド全体の資産である 純資産 は減ります。

分配金を出して純資産が減れば、基準価額も下がります。これは、ファンドの中にあった資産の一部が、投資家の手元へ現金として移ったということです。

分配すると、純資産はその分だけ減る
分配金は外から足されるお金ではなく、ファンドの中にあった資産の一部を投資家へ渡すものです。
分配すると、ファンドの純資産はその分だけ減る現金 22債券 33株式 55110億円分配前の純資産基準価額 11,000円現金 21債券 31.5株式 52.5105億円分配後の純資産基準価額 10,500円分配で 5億円が投資家へ分配直後の見え方(税金・値動きの前)評価額 −500円現金 +500円ここだけで損得は決まらない。税金、再投資、その後の値動きまで見る

ここで注意したいのは、これは 分配直後の機械的な動き だという点です。基準価額が下がった分だけ現金を受け取るように見えても、分配しても損得は必ず同じ という意味ではありません。課税口座では普通分配金に税金がかかることがありますし、受け取った現金を使うのか、再投資するのかでもその後の結果は変わります。

3. 投資家から見ると、分配金もトータルリターンに含める

投資家から見た結果は、基準価額だけでは分かりません。分配金を受け取ると、保有している投資信託の評価額は下がって見えます。ただし、その一部は現金として手元に移っています。長く保有すると、この関係はよりはっきり見えます。

10年後のトータルリターン
基準価額は下がっても、受け取った分配金を合わせれば、全体ではプラスになることがあります。
基準価額が下がっても、分配金を合わせるとプラスになることがある毎年4%稼ぎ、毎年5%分配したファンドの10年後(概念図)05,00010,00015,000基準価額10,000円スタート時基準価額9,000円分配金+4,800円10年後合計 13,800円(+38%)トータルリターン = いまの基準価額 + 受け取った分配金

このように、分配金を見るときは 分配金だけでも、基準価額だけでも足りません。投資家から見たトータルリターンは、保有している投資信託の評価額と、これまで受け取った分配金を合わせて見ます。そのうえで、税金、再投資するかどうか、その後の値動きまで含めて、最終的な結果を確認します。

On this page