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資産運用のイロハ第3章 投資信託を理解する

3-4 分配金を出すケースと再投資されるケース

投資信託の収益を現金で受け取る場合と、ファンド内で再投資される場合を整理するページです

3-3 では、分配金はファンドの資産の一部を投資家へ支払うしくみだと見てきました。次に整理したいのは、分配金を出すケースと、ファンド内で再投資されるケースの違いです。ここで大事なのは、分配金があるかないかだけを見ることではありません。まず、ファンドとして運用収益が出ているのか、そしてその収益に対して分配金という支出に無理がないかを見ます。

このページで押さえたいこと
  • ファンドの収益は、投資先からのインカムゲインとキャピタルゲインで考えます。
  • 分配金は、ファンドから投資家へ出ていくお金です。
  • 運用収益を超える分配が続くと、純資産と基準価額が下がりやすくなります。
  • 純資産が大きく減ると、繰上償還という形でファンドが終わる可能性もあります。
  • 無分配型は、収益をファンド内に残して再投資しやすい設計です。

1. 先に見るのは、ファンドとして利益が出ているか

分配金を見るときは、投資家の手元にいくら入るかだけで考えると分かりにくくなります。ファンドの視点に立つと、話は少し整理しやすくなります。ファンドに入ってくるお金は、投資先の株式や債券から得る インカムゲイン と、保有している資産の値上がりや売却益による キャピタルゲイン です。一方で、ファンドから投資家へ出ていくお金が 分配金 です。

この見方をすると、分配金の多さだけでは判断できない理由が分かります。運用収益が十分に出ていて、その範囲で分配しているなら、分配金はファンドの成果を投資家へ渡していると見やすくなります。反対に、運用収益が足りないのに高い分配を続けているなら、ファンドの中身を切り崩して支払っている可能性があります。

2. 分配金を出すケースは、支払いペースに無理がないかを見る

分配型
運用収益から投資家へ現金を出す設計です。支出が大きすぎないかを見る必要があります。
投資先ファンド内投資家の手元株式債券配当利息投資信託運用収益を受け取る外へ出す分配金運用収益から分配金を出す分配金が多すぎると、純資産と基準価額が下がりやすい

分配金を出す商品は、手元に現金が定期的に入るという理由で投資家から選ばれることもあります。しかし、分配金を出す商品では、分配金が多いか少ないか だけではなく、運用収益に対して、分配金が無理のない水準なのかを見ます。支出が多すぎる状態が続くと、純資産が減り、基準価額も下がりやすくなります。

純資産が小さくなりすぎると、運用を続ける効率が落ちたり、ファンドの運用が途中で終わる 繰上償還 が起きたりする可能性があります。毎月分配型は、分配金が定期的に発生するため、この点をより注意して見る必要があります。詳しくはコラム 毎月分配型投資信託はなぜ注意が必要? で整理しています。

3. 無分配型は、ファンド内で再投資しやすい

ファンド内再投資型(無分配)
運用収益をファンド内に残し、投資先へ再投資しやすい設計です。
投資先ファンド内投資家の手元株式債券配当利息投資信託運用収益を受け取る再投資再投資現金は来ないファンド内に残る運用収益をファンド内に残す現金では受け取らず、再投資しやすい

分配金を出さない商品は、投資先から入ってきた配当や利息、値上がり益を現金として外へ出さず、ファンド内に残して運用を続ける設計です。投資家の手元に現金は来ませんが、その分だけファンド内で再投資しやすくなります。

これから資産を増やす時期なら、受け取った分配金をまた投資に回したい人が多くなります。その前提では、いったん現金で受け取ってから買い直すより、最初からファンド内で運用が続く方が考え方として素直です。課税口座では、普通分配金として外へ出ると税金がかかることがありますが、税金の扱いは口座や分配金の種類によって変わります。

4. どちらが良いかは目的によって変わる

分配金を受け取る設計と、ファンド内で運用を続ける設計は、どちらか一方が常に正解というものではありません。現金が必要な時期でも、分配金が出る商品だけを選ぶ必要はありません。必要な金額だけ投資信託を売却する方法もあります。見るべきなのは、毎月いくら受け取れるか ではなく、ファンドとして利益が出ているか、分配金の計画に無理がないか、そして基準価額を含めた トータルリターン です。

次の 3-5 投資信託を選ぶときの確認ポイント では、ここまで見てきた中身、運用方針、分配金の考え方を使って、実際に商品を確認する順番を整理します。

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