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資産運用のイロハ第3章 投資信託を理解する

3-4 分配金を出すケースと再投資されるケース

現金で受け取るタイプと、ファンドの中で自動的に再投資されるタイプ(無分配)の違いや税金の差を解説します

3-3 分配金とは何か で分配金が出ると基準価額が下がる仕組みを見ました。このページでは、投資信託を選ぶときによく迷う 「分配金を現金で受け取るタイプ」 と 「ファンドの中で自動的に再投資するタイプ(無分配型)」 の違いについて整理します。

「毎月お金がもらえるとお得な気がする」と安易に選んでしまうと、税金で手取りが減ったり、お金が増えるスピードが落ちたりすることがあります。自分のお金を増やす時期なのか、使っていく時期なのかに合わせて、賢い選び方を知っておきましょう。

このページで押さえたいこと
  • ファンドの資産は、組み入れている株や債券からの利益で増え、手数料や分配金の支払いで減ります。
  • 運用の利益以上に無理な分配金を出し続けると、ファンドの資産がどんどん減り、途中で運用が強制終了(繰上償還)される恐れがあります。
  • 分配金を出さずにファンドの中で再投資するタイプは、利益に税金がかからずにそのまま次の投資に回るため、効率よく資産を増やせます。
  • 現金で分配金を受け取ってから自分で再投資しようとすると、その都度約20%の税金が引かれてしまい、元本が目減りします。
  • 生活費などで現金が必要な場合でも、分配型を選ぶより、無分配型を「毎月少しずつ解約(定期売却)」した方が税金面でお得になりやすいです。

1. ファンドのお金の出入り

分配金が無理なく出されているかを考えるには、ファンド全体のお金の出入りを意識すると分かりやすくなります。

ファンドの資産を増やすのは、株や債券から入る「配当や利息」と「値上がり益」です。一方で、資産を減らすのは「運用管理費用(信託報酬)」と「投資家への分配金の支払い」です。

ファンドが稼いだ利益の範囲内で分配金を出しているなら問題ありません。しかし、稼いだ利益を大きく上回る分配金を無理に出し続けると、ファンドは自分の元本を取り崩して支払うしかなくなります。

2. 分配金を出しすぎるファンドのリスク

分配型
運用収益から投資家へ現金を出す設計です。支出が大きすぎないかを見る必要があります。
投資先ファンド内投資家の手元株式債券配当利息投資信託運用収益を受け取る外へ出す分配金運用収益から分配金を出す分配金が多すぎると、純資産と基準価額が下がりやすい

毎月分配型などのファンドは、「定期的にお金が振り込まれる」というわかりやすさから人気があります。しかし、無理な分配を続けているファンドには次のようなリスクがあります。

  1. 元本が減って、稼ぐ力が落ちる: ファンドの元本がどんどん削られていくため、次に利益を生み出す力が年々弱くなっていきます。
  2. 途中で強制終了(繰上償還)される恐れ: 投資信託には、「純資産総額が一定の基準(例:30億円など)を下回ったら、運用を終了してお金を返金する」というルールがあります。相場が悪い底値のタイミングで強制終了されてしまうと、その後の相場の回復を待つことができず、損が確定してしまいます。

毎月分配型ファンドの注意点については、コラム 毎月分配型投資信託はなぜ注意が必要? でも詳しく解説しています。

3. 「ファンド内で再投資(無分配型)」が有利な理由

ファンド内再投資型(無分配)
運用収益をファンド内に残し、投資先へ再投資しやすい設計です。
投資先ファンド内投資家の手元株式債券配当利息投資信託運用収益を受け取る再投資再投資現金は来ないファンド内に残る運用収益をファンド内に残す現金では受け取らず、再投資しやすい

一方、分配金を出さない「無分配型のインデックスファンド」は、得られた配当などを投資家に配らず、すべてファンドの中でそのまま次の投資に回します。

これから資産を増やしていきたい人にとって無分配型が圧倒的に有利な理由は、「税金が引かれずに複利の効果を活かせるから」 です。

  • 分配金を受け取ってから再投資する場合: 分配金が出るたびに約20%の税金が引かれます。税金が引かれたあとの「約8割のお金」で買い直すことになるため、投資に回せるお金が減ってしまいます。
  • ファンドの中で再投資する場合: ファンドの中でそのまま全額が新しい投資に回るため、途中で税金が引かれません。利益を1円も無駄にせずそのまま次の投資に回せるため、10年、20年と時間が経つほど、分配型との資産の差は大きく開いていきます。

4. 年代やライフステージに応じた選び方

「資産を増やしている途中」か「定年退職後にお金を使っている段階」かによって、適した方法は変わります。

  • 資産を増やしている段階(現役世代): 迷わず「無分配型(ファンド内再投資)」を選び、税金を引かれずにじっくり複利で増やしていくのが合理的です。
  • 生活費などでお金を使いたい段階(退職後など): 年金の足しに現金が欲しいときでも、わざわざ分配金を出す商品を選ぶ必要はありません。無分配型の投資信託を持ったまま、多くの証券会社にある「定期売却サービス(毎月決まった金額や割合を自動で解約して現金化する仕組み)」を使う方が、税金の面でも手取りが多くなりやすくおすすめです。

次節 3-5 投資信託を選ぶときの確認ポイント では、たくさんの商品の中から安心して持てる投資信託を見分ける具体的な手順を見ていきます。

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