資産運用のイロハ第3章 投資信託とETFを理解する

3-1 投資信託って何?

投資信託がどんな仕組みで、個別株と何が違うのかを整理するページです

NISA で積み立てを考え始めると、多くの人は最初に投資信託へ出会います。ただ、積み立て向きの商品 とだけ覚えると、何を持っているのかが見えにくくなります。先に押さえたいのは、投資信託は 1つの会社に投資する商品 ではなく、複数の株式や債券をまとめて持ちやすくする商品だということです。ここが見えると、投資信託を見るときに 名前 より 中身 を先に見やすくなります。

このページで押さえたいこと
  • 投資信託は、複数の資産をまとめて持ちやすい商品です。
  • 自分で1社ずつ選ばなくても、少額から分散投資しやすいのが特徴です。
  • 個別株と違って、1社の評価 より 中身の組み合わせ運用方針 を見ることが大切です。
  • 個別株のような議決権や株主優待は基本的になく、配当の受け取り方も異なります。
  • 次の 3-2 では、その中身をどう運用するかという インデックスアクティブ の違いを見ます。

1. 投資信託は、複数の資産をまとめて持つ商品

投資信託は、投資家から集めたお金をまとめて運用し、その中で複数の株式や債券などを持つ商品です。自分で何十社も買い集めなくても、1本で広く分散しやすいのが大きな特徴です。基準価額 は、その中身の価値を1口あたりで表したもので、中に入っている資産の動きに応じて日々変わります。

投資信託は『まとめて持つバスケット』
投資家から集めたお金を、株式・債券・金・不動産などにまとめて運用する商品
投資家A投資家B投資家C投資信託株式A株式B国債社債コモディティREITインフラ1本でさまざまな資産をまとめて持てる

ここで大事なのは、投資信託を 楽な商品 とだけ見ないことです。実際には、どの資産をどんな割合で持つかを、まとめて1本で引き受けている商品だと考える方が自然です。

2. 個別株と違うのは、「1社」ではなく「組み合わせ」を買うこと

個別株では、この会社は伸びそうか 今の株価はどうか が判断の中心になります。一方で投資信託では、何が入っているか どの指数や方針に沿っているか コストはどれくらいか が判断の中心になります。つまり、投資信託は どの会社を買うか より どんな組み合わせを持つか を考える商品です。

個別株と投資信託の見方の違い
観点個別株投資信託
中身1社への投資複数の株式や債券へのまとめ投資
見る中心企業の質と株価中身の配分、連動対象、コスト
経営への参加株主として議決権を行使できる運用はファンドに任せる。投資先企業の議決権は持たない
受け取り方配当金や株主優待を直接受け取る分配金はファンド方針による。株主優待は基本的にない
分散自分で設計する1本で一定の分散を持ちやすい

ここで誤解しやすいのは、投資信託を持てば投資先企業の株主と同じ権利を持てる というイメージです。実際には、議決権の行使や経営参加はファンド側が行い、投資家はその運用成果を受け取る立場になります。配当も個別株のように1社から直接受け取るのではなく、ファンドの中で再投資されるか、方針に応じて分配金として支払われます。

3. 最初の分散投資に向きやすいが、中身を見なくてよいわけではない

投資信託は、まず広く分散して始めたい人や、個別企業の調査に時間をかけにくい人と相性がよい商品です。毎月の積み立てを仕組み化しやすいのも強みです。ただし、便利だからといって 何でもよい わけではありません。中身を見ずに人気だけで選ぶと、実際には自分が持ちたい資産とずれていることがあります。

ここまでで持ちたいのは、投資信託を 分散しやすい箱 として見る感覚です。続きは 3-2 インデックスとアクティブ です。次は、その箱を 市場平均に沿って運ぶのか 平均超えを狙って運ぶのか の違いを整理します。

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