3-1 投資信託って何?
投資信託の基本的な仕組み、基準価額と純資産総額の計算方法、手軽に分散投資ができる理由を解説します
つみたて投資やNISA口座を使うとき、一番身近な金融商品が 「投資信託(ファンド)」 です。
個別の株を買うのが「特定の1社に出資して、その会社と一緒に歩む」ことだとすれば、投資信託は 「たくさんの投資家から集めたお金をまとめて、専門家がさまざまな株式や債券などに分けて運用する商品」 です。このページでは、投資信託がどのような仕組みで成り立っているかを整理します。
- 投資信託は、専門機関が決められたルールに沿って、たくさんの株式や債券をまとめて運用してくれる商品です。
- 自分で何十社もの株を買い集めるお金や手間がなくても、100円などの少額から世界中の資産に分散投資ができます。
- 投資信託の値段である「基準価額」は、集めた資産の時価の合計(純資産総額)を発行した口数で割って計算されます。
- 個別の株のように取引時間中にリアルタイムで値が動くのではなく、1日1回、その日の終値をもとに価格が計算されます。
- 投資信託はあくまで「詰め合わせの箱」であり、値動きやリスクは「箱の中に何が入っているか」で決まります。
1. 投資信託の仕組みと3つの役割
投資信託は、投資家のお金を安全に守りながら運用するために、「販売会社」「運用会社」「信託銀行」の3つの会社が役割を分担しています。
- 販売会社(証券会社や銀行): 口座開設や商品の販売、解約手続き、分配金の支払いなどの窓口を担当します。
- 運用会社: どの株をいくら売買するかという運用の計画を立てて、信託銀行に指示を出します。
- 信託銀行: 投資家から集めたお金を自社のお金とは厳格に分けて保管し、運用会社の指示に従って実際の売買を行います。
このように役割が分かれているため、万が一、証券会社や銀行、運用会社が倒産しても、投資家のお金は信託銀行で別々に管理されているため、全額が保護される仕組みになっています。
2. 「基準価額」と「純資産総額」の計算方法
投資信託の価格や規模を理解する上で大切なのが、「純資産総額」 と 「基準価額(きじゅんかがく)」 です。
- 純資産総額: ファンドが持っているすべての株式や債券などの時価から、運用の費用などを差し引いた、ファンド全体の正味の財産の大きさです。
- 基準価額: 投資信託の値段のことです(日本では通常1万口あたりの値段で表示されます)。次の式で計算します。
基準価額 = 純資産総額 ÷ 総口数 × 10,000
株式市場の取引時間中に秒単位で値動きする個別株と違い、投資信託の基準価額は 1日1回、その日の市場が終わったあとにまとめて計算 されます。
また、注文するときにはまだその日の価格が決まっていない「ブラインド方式」がとられています。これは、市場の動きを見てからずるく注文する人が出ないようにし、投資家の間の公平性を守るための仕組みです。
3. 「箱の看板」ではなく「中身」を見る
投資信託は、忙しくて1社ずつの決算を調べる時間がない人でも、手軽に自動積立ができる便利な仕組みです。
ただし、「投資信託だから何でも安全に分散されている」と思い込まないように注意しましょう。
同じ「投資信託」という名前でも、中身が米国のIT企業の株ばかりのファンドと、先進国の安全な国債で固められたファンドでは、値動きの荒さや値下がりのリスクが全く違います。
大切なのは、「投資信託」という名前だけで安心せず、「そのファンドの中にどんな商品が、どのような割合で入っているか」を確かめることです。
次節 3-2 インデックスとアクティブ では、投資信託の2大手法である「市場の平均を目指すインデックス運用」と「平均以上の成果を狙うアクティブ運用」の違いを見ていきます。