全世界株式とS&P500を両方持てば分散になる?
名前ではなく中身を見て、全世界株式と S&P500 の重なりを整理するコラムです
全世界株式と S&P500 を両方持つと、世界にも米国にも分けたから分散できている と感じやすくなります。ですが、これは名前だけを見たときの印象です。実際には、多くの全世界株式インデックスは米国株の比率がかなり高く、S&P500 を重ねると、S&P500 の主要銘柄を二重に持つ形になりやすいです。
全世界という名前だけで、十分に分散できているとは限りません。- 多くの全世界株式インデックスには、すでに米国の大型株が多く含まれています。
- そのうえで S&P500 を追加すると、主要銘柄を二重に持つ形になりやすいです。
- それが悪いわけではありませんが、
分散ではなく米国を厚く持つという意味合いが強くなります。
1. 「全世界」という名前だけでは、分散の中身は分からない
商品名に 全世界 と入っていると、それだけで広く分散されているように見えます。ですが、インデックス型の商品は、名前よりも実際の構成比率を見る方が大切です。全世界株式インデックスの多くは、時価総額の大きい国や企業の比率が自然に高くなるため、結果として米国株の比率がかなり大きくなりやすいです。
つまり、全世界 とは 世界に均等に分かれている という意味ではありません。世界全体を時価総額に沿って持つと、米国の比率が大きくなることが多い、という理解の方が実態に近くなります。
2. S&P500 を足すと、主要銘柄を二重に持ちやすい
S&P500 は、米国の大型株を代表する指数です。一方で、全世界株式インデックスにも、米国の大型株はすでに多く含まれています。つまり、全世界株式と S&P500 を両方持つと、Apple、Microsoft、Amazon のような主要銘柄を二重に持つ形になりやすいのです。
この状態では、本数は2本に増えていても、中身の重なりはかなり大きいままです。見た目には 全世界 と 米国 で分けたように見えても、実際には米国大型株の比率をさらに厚くしているだけ、ということがよくあります。
3. 併用するなら、「分散」ではなく「米国を厚く持つ」と理解する
全世界株式と S&P500 を両方持つこと自体が、必ずしも悪いわけではありません。たとえば、全世界を土台にしつつ、米国を少し厚めに持ちたい という意図があるなら、それは一つの戦略として筋が通っています。
ただし、その場合の意味は 分散のために2本持つ ではなく、米国比率を上乗せするために2本持つ です。ここを言葉で区別できるかどうかが大切です。もし 分散のために持っている と考えているなら、一度中身を見直した方がよいかもしれません。
第4章の 4-2 分散を考えるときの3軸 で見たように、投資信託でも分散は 金融商品 業界 国・地域 の3軸で考えると整理しやすくなります。その考え方に沿うなら、S&P500 を重ねて米国大型株をさらに厚くするより、たとえば 全世界(米国除く) のような投資信託で国・地域の偏りを補ったり、債券や REIT のような別の商品を組み合わせたりする方が、分散の効果は高まりやすいと言えます。
確認するときは、次の3つを見れば十分です。
- 全世界株式の中で、米国がどれくらいを占めているか
- S&P500 を足すことで、米国比率がどこまで増えるか
- 自分の意図は
分散なのか米国を厚く持つことなのか
全世界 という名前でも、実際の中身は米国比率がかなり高いことがあります。S&P500 を追加する前に、主要な国や上位銘柄の重なりを見るだけでも、分散の質はかなり判断しやすくなります。
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- 投資信託の選び方は 3-5 投資信託を選ぶときの確認ポイント
- 分散の3軸は 4-2 分散を考えるときの3軸