配当を出さない会社は悪い会社?
配当を出しているかどうかだけで判断せず、会社が利益をどう使って成長しているかという視点で評価します
配当を出していない会社(無配の会社)を見ると、「株主にお金を返してくれない、ケチな会社ではないか」と感じてしまいがちです。
しかし、配当を出しているかどうかだけで良い会社かを判断することはできません。会社が稼いだ利益をどう使うべきかは、その会社が成長中なのか、それともすでに成熟した大企業なのかによって全く異なります。大切なのは、配当の多さだけでなく、「社内に残したお金を使って、将来の会社をどれだけ大きくできるか」という視点です。
- 配当を出していないからといって、決して株主を軽視していたり経営が悪かったりするわけではありません。
- 成長中の企業では、配当としてお金を配るよりも、事業の拡大に再投資した方が、将来の株価の値上がりとして株主に大きな利益をもたらすことができます。
- 成熟した大企業では配当や自社株買いが喜ばれる一方で、成長企業では「事業への再投資」こそが一番の株主還元になります。
- 「配当の有無」だけで見るのではなく、「利益をどう使っているか」という納得感を確かめることが大切です。
1. 稼いだ利益の使い道
会社がビジネスで利益を出したとき、その使い道には主に次の3つがあります。
- 株主へのお返し: 配当金を支払ったり、自社株買いをしたりする
- 事業への再投資: 新しい工場を建てたり、研究開発をしたり、新しいサービスを立ち上げたりする
- 会社を守るための貯金: 借金を返済したり、いざというときのために手元にお金を残したりする
まだ世の中に広がる余地が大きい、成長の真っ只中にある企業(成長期のIT企業など)では、利益をお小遣いのように株主に配ってしまうよりも、事業に再投資して会社をどんどん大きくする方が、将来の利益を何倍にも増やせます。
将来の利益が何倍にもなれば、会社の株価も何倍にも跳ね上がります。株主にとっての利益は、配当金(インカムゲイン)だけでなく、株価の値上がり(キャピタルゲイン)もあるということがポイントです。
2. 良い無配と、注意すべき無配
配当を出していない会社を見るときは、「成長のための前向きな無配」と「業績が悪くて出せない後ろ向きな無配」をしっかり区別する必要があります。
前向きな無配(事業を急拡大している)
はっきりとした成長の計画があり、稼いだお金を新しい事業や開発にどんどん注ぎ込んでいる会社です。売上や利益が毎年力強く伸びており、社内に残したお金がしっかりと将来の成長につながっています(創業期のAmazonやGoogleなど)。
注意すべき無配(お金の使い道がない、または赤字)
新しい投資の予定もないのに、配当も出さずに現金を社内にただ溜め込んでいる会社や、業績が悪くて配当を出す余裕がない会社です。稼いだお金を有効に使えていない可能性が高いため注意が必要です。
配当を出していない会社を調べるときは、次の点を確認してみましょう。
- 利益をうまく増やせているか: 再投資したお金を使って、しっかり利益を伸ばせているか
- 何にお金を使っているか: 新しい工場や研究開発など、前向きな使い道にお金が回っているか
- 会社の成長ストーリー: 決算の説明資料などで、これからどうやって会社を大きくしていくかが分かりやすく語られているか
3. 会社の成長段階に合わせて考える
会社に求められる配当のあり方は、その会社の「年齢(ステージ)」によって変わります。
- 成長期: 会社を大きくするチャンスがたくさんあるため、配当を出さずに全額を事業への投資に回すのが合理的です。
- 成熟期: 事業が安定し、大きな設備投資が一段落したあとは、稼いだたくさんのお金を配当や自社株買いとして株主に還元していくのが合理的です。
「配当を出さないからダメ」「高配当だから安心」と単純に決めてしまうのではなく、その会社がいまどんな段階にあり、利益をどこに使うのが一番会社と株主のためになるか、という視点で見ることが大切です。
配当を出さない会社であっても、事業をぐんぐん伸ばして株価を何倍にも引き上げてくれるなら、株主にとっては大きな利益になります。会社が稼いだお金をどう使っているかを確かめることが大切です。
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