分配金を出さないインデックスファンドが多いのはなぜ?
インデックスファンドで分配金を出さずにファンドの中で再投資する商品が多い理由を、税金と複利の視点から解説します
S&P500や全世界株式(オルカン)に連動する人気の投資信託を見ると、中に入っている会社は配当を出しているのに、ファンド自体は「分配金ゼロ(無分配)」を基本にしているものがほとんどです。
ここで知っておきたいのは、「会社からファンドに入ってくる配当金」 と、「ファンドから投資家に支払われる分配金」 の違いです。インデックスファンドが分配金を出さないのは、配当をもらっていないからではなく、「もらった配当をファンドの中で自動的に再投資して、税金を引かれずにお金を効率よく増やすため」 です。
- 組み入れている株から配当が出ても、ファンドがそれを投資家に現金で配るとは限りません。
- 分配金を出さないタイプは、受け取った配当金をそのまま使って新しい株を買い足し、ファンドの財産を増やします。
- 分配金として手元に現金をもらうと、その都度約20%の税金が引かれてしまい、次に回せるお金が減ってしまいます。
- お金を増やしていきたい現役世代にとっては、ファンドの中でそのまま再投資してもらう方が、税金を引かれずに効率よく増やせます。
1. 配当金は消えたのではなく、ファンドの中で再投資されている
投資信託から分配金が支払われないと、「会社から出たはずの配当金はどこに行ってしまったのか」と不思議に思うかもしれません。
もちろん、配当金が消えてしまったわけではありません。すべてファンドの資産(純資産総額)にしっかり組み入れられています。そして運用の担当者は、その配当金を使ってさらに株を買い増しています。
つまり、手元に現金として振り込まれないだけで、配当金の分だけ投資信託の値段(基準価額)が押し上げられ、確実に自分の資産が増える力になっています。
2. ファンドの中で再投資すると税金面でお得
分配金を出さないタイプが選ばれる一番の理由は、「途中で税金が引かれないから」 です。
例えば、100億円の資産を持つファンドに、1億円の配当が入ってきたとします。
- ファンドの中でそのまま再投資する場合: 投資家に現金を配らないため税金がかからず、1億円全額をそのまま新しい株の買い付けに回せます。
- 現金で分配金を受け取ってから自分で買い直す場合: 通常の口座(特定口座など)では、分配金が出るたびに約20%の税金が引かれます。1億円を配っても手元には約8,000万円しか残らず、買い直せる金額が約2,000万円も減ってしまいます。
| タイプ | ファンドの中で起きること | 投資に回るお金 |
|---|---|---|
| ファンド内で再投資(無分配) | 税金を引かれずにそのまま新しい株を買い足す | 1億円全額(1円も無駄にならずに運用される) |
| 現金で受け取ってから買い直す | 投資家に現金を配るため、その都度税金が引かれる | 約8,000万円(約20%の税金が引かれてしまう) |
| 長い目で見た結果 | 元本が減らないため、雪だるま式に増えやすい | 投資に回せるお金が減り、お金が増えるペースが落ちる |
NISA口座なら税金はかかりませんが、分配金を現金で受け取ってから自分で買い直すと、せっかくの「年間の投資枠」をもう一度使ってしまうことになります。ファンドの中で自動再投資してもらえば、枠を消費せずに済みます。
3. これから資産を増やしたい人にとってのベストな選択
これからお金を増やしていきたい段階では、毎月分配金を受け取るよりも、分配金を出さずにファンドの中で再投資してくれるタイプを選ぶのが一番無駄がありません。
- 手間がかからない: 自分で買い直す注文を出す必要がなく、自動で効率よく再投資される
- 税金を先送りできる: 途中で税金が引かれないため、増えた利益がまるごと次の利益を生んでくれる
- 枠を無駄遣いしない: NISAの限られた投資枠を無駄に使わずに済む
定年退職後などで毎月の生活費に現金が必要になった場合でも、分配型を選ぶのではなく、無分配型を持ったまま「毎月必要な分だけ自動で解約して現金化する」方が、税金面でも手取りが多くなりやすくおすすめです。
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