毎月分配型投資信託はなぜ注意が必要?
毎月分配型が安心に見えやすい理由と、長期の資産形成で起きやすいズレを整理するコラムです
毎月分配型の投資信託を見ると、毎月お金が入るなら安心そう 年金のように受け取れて便利そう と感じやすくなります。ですが、毎月分配であること自体は、運用がうまくいっている証拠ではありません。むしろ、分配金の見た目が分かりやすいぶん、実際の成績や元本の減り方を見誤りやすい商品でもあります。先に持ちたいのは、投資信託の見返りは 毎月いくら入るか ではなく、基準価額の変化も含めたトータルリターン で見る、という視点です。
- 分配金は信託財産から支払われるので、出たぶんだけ基準価額は下がります。
- 毎月分配であっても、トータルリターンが高いとは限りません。
- 運用益以上に分配が続くと、元本払戻金(特別分配金)として元本の一部を返している形になることがあります。
- 長期の積み立てでは、分配でお金を外へ出す仕組みが複利と相性の悪いことがあります。
毎月もらえることと、増えていることは別
投資信託の分配金は、信託財産から支払われます。つまり、分配金が出ると、そのぶんだけ純資産総額や基準価額は下がります。だから 毎月1万円受け取れた という見え方だけでは、実際に増えているのかどうかは分かりません。分配金を受け取りながら基準価額が下がっていれば、見た目ほど資産は増えていないことがあります。
毎月分配型で誤解しやすいのは、分配金 = もうけ と見えやすいことです。実際には、受け取った現金 と 残った基準価額 を合わせて見ないと実態はつかめません。毎月入金があることと、長期で資産が育っていることは別です。
毎月分配型のどこが危険なのか
毎月分配型が危ないと言われやすいのは、受け取れている安心感 と 実際の運用成果 がずれやすいからです。特に長期の資産形成をしたい人にとっては、次の点が大きな注意点になります。
- 分配金の額だけを見て、基準価額の下落を見落としやすい
- 運用益以上に分配すると、元本払戻金(特別分配金)として元本の一部を返している形になることがある
- 分配のたびにお金が外へ出るので、ファンドの中で複利を効かせにくい
- 課税口座では、分配のたびに課税され、再投資に回せる額が減りやすい
ここで大事なのは、毎月分配 = すべて悪い と決めつけることではありません。問題は、何を受け取っていて、どこから払われているのかを理解しないまま持ってしまうことです。分配の見た目が分かりやすいほど、商品を過大評価しやすくなります。
積み立て期なら、無分配型の方が自然なことが多い
資産を増やしていく時期なら、受け取ったお金をまた投資へ回すことが多くなります。その前提なら、最初からファンドの中で再投資が続く無分配型の方が仕組みとして素直です。中の株式や債券から入ってきた収益を外へ出さず、そのままファンド内で回した方が、長期では積み上がりを見やすくなります。
毎月分配型が向くのは、すでに資産を取り崩す段階で、定期的な現金収入を受け取りたい人です。逆に、NISA などでこれから資産を育てたい人なら、毎月もらえるか より 長期でいくら残りやすいか を優先した方が自然です。
毎月分配型の危険性は、現金が入る安心感で実力を見誤りやすいことにあります。分配金だけではなく、基準価額とトータルリターンまで合わせて見た方が実態に近づきます。
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