3-5 投資信託を選ぶときの確認ポイント
たくさんある投資信託の中から良いファンドを見分ける3つの手順(中身の確認、コストと規模の比較、手持ち資産との重複チェック)を解説します
ここまで、投資信託の仕組み、インデックスとアクティブの違い、分配金の仕組みを見てきました。このページでは、実際に数千本もある投資信託の中から、自分に合った商品を見つけるための3つの手順を整理します。
ランキングの人気順や広告に流されず、中身をしっかり確かめて選ぶ習慣を身につけましょう。
- ステップ1:商品の名前や流行り言葉に惑わされず、「何に(株か債券か)」「どの地域に(全世界か米国か)」投資しているかを確かめます。
- ステップ2:同じ指数を目指す似た商品同士を比べ、「手数料(信託報酬など)の安さ」と「ファンドの大きさ(純資産総額と資金の流入)」を確かめます。
- ステップ3:すでに持っている他の投資信託や株と「中身が被っていないか(重複)」を確認し、知らず知らずのうちに偏った投資になっていないかをチェックします。
- 投資信託の本数をたくさん持てば分散になるわけではなく、「中身が本当に別々のものか」が大切です。
ステップ1:何に投資しているかを確かめる
ファンドを選ぶときにまず見るべきなのは、目論見書(もくろみしょ)や月次の運用レポートを開き、そのファンドが「どんな資産」の「どの国の市場」に投資しているかを確認することです。
- 資産の種類: 株式なのか、債券なのか、不動産(REIT)なのか、いろいろ混ざったバランス型なのか
- 投資する国や地域: 日本国内なのか、先進国なのか、新興国なのか、全世界なのか
- 基準にしている指数: S&P500やMSCI ACWIなど、何と同じ動きを目指しているか
株式中心のファンドと債券中心のファンドでは、値動きの激しさが全く違います。まずは第1章で考えた「自分のお金を使う目的」に合っているかを確かめましょう。
ステップ2:手数料の安さとファンドの大きさを比べる
同じ指数(例えば「S&P500」や「全世界株式」)を目指すインデックスファンドがいくつかあるときは、次の2つのポイントで比較します。
- 持っている間にかかる手数料(信託報酬): 目論見書に書かれている「信託報酬」が低いものを選びます。同じ指数を目指すファンドであれば、値動きは基本的に同じなので、手数料の安さがそのまま将来の手取りの差になります。
- ファンドの大きさ(純資産総額)と資金の流れ: 純資産総額が小さすぎるファンド(目安として数十億円未満)や、解約が続いてお金が流出し続けているファンドは、途中で運用が打ち切られる(繰上償還される)恐れがあります。純資産総額が数百億円以上あり、毎月お金が集まっている人気のあるファンドを選ぶのが安心です。
なお、全く別の種類のファンド(例えば「全世界の株式」と「日本の国債」)を手数料の安さだけで比べるのは意味がありません。手数料の比較は、あくまで「同じ指数を目指す似た商品同士」で行います。
ステップ3:すでに持っている商品と中身が被っていないか確認する
最後に必ず確認したいのが、すでに持っている資産との「中身の被り(重複)」です。
よくあるのが、「全世界株式」と「S&P500」の両方を買ってしまうケースです。違う名前のファンドを2本持っているので分散できているように思えますが、実は全世界株式の中身の約6割はアメリカ株であり、組み入れられている上位の銘柄(アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど)はほとんど同じです。
ファンドの本数を増やしても、中身が同じであれば分散にはなりません。かえってアメリカの大型IT株ばかりに集中して投資している状態になってしまうことがあります。
2つのファンドの関係については、コラム 全世界株式とS&P500を両方持てば分散になる? でも詳しく解説しています。
第3章はここまでです。
続く 第4章 ポートフォリオを作る では、これまで学んだ株や投資信託を組み合わせて、「自分の資産全体をどのようなバランスで持ち、定期的にどう見直していくか」という全体の組み立て方を学んでいきます。