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コラム

ポートフォリオの最適化モデルって何?

平均分散最適化と Black-Litterman が、配分比率をどう考えるためのモデルなのかを整理するコラムです

ポートフォリオを作ると、何を持つか の次に どれくらいの比率で持つか という問いが出てきます。この比率を感覚だけでなく、構造でも考えたいときに出てくるのが最適化モデルです。ここでは、代表的な平均分散最適化と Black-Litterman を、個人投資家が読める形で整理します。

このコラムで押さえたいこと
  • 最適化モデルは、同じ商品を持つとして、どの比率が効率的かを比べるための道具です。
  • 平均分散最適化は、効率的フロンティアを描く近代ポートフォリオ理論の出発点です。
  • ただし、前提に敏感で、極端な配分が出やすい弱点があります。
  • Black-Litterman は、その極端さを抑えながら、より現実的な配分を考えやすくする発展形です。

平均分散最適化は何をしているのか

平均分散最適化は、同じリスクならより高いリターン同じリターンならより低いリスク を目指して、配分比率を比べる考え方です。株式Aと株式Bをどの割合で持つか、株式と債券をどう組み合わせるか、といった候補を並べて、その中で効率のよい組み合わせを探します。

このときに出てくるのが 効率的フロンティア です。これは、取りうる配分の中で、同じリスクなら最も高い期待リターンになる組み合わせを結んだ線です。第4章の本文では、この線の上で 自分はどこを選ぶか を考えるところまで押さえれば十分です。

平均分散最適化 — 効率のよい配分を探す
さまざまな配分の中から、同じリスクならリターンが最も高い組み合わせ(効率的フロンティア)を見つけます。灰色の点が配分の候補、青い線がフロンティアです。
同じリスクなら、より高いリターンを目指す効率的フロンティア上の配分が、理論上もっとも効率がよいリスク(値動きの大きさ)→期待リターン →効率的フロンティアこのリスクで最も効率的な配分同じリスクだがリターンが低い

なぜそのままでは使いにくいのか

平均分散最適化はきれいな理論ですが、期待リターンや相関の前提が少し変わるだけで、結果が大きく動くことがあります。そのため、ある銘柄に極端に大きな比率を置くなど、現実には採用しにくい答えが出ることもあります。

さらに、現実の相場は理論どおりに穏やかには動きません。下落局面では相関が急に高まったり、想定より大きな値動きが出たりします。したがって平均分散最適化は きれいな出発点 としては有用でも、そのまま最終回答として使うには注意が必要です。

平均分散最適化は前提に敏感
期待リターンの推定を少し変えただけで、ある銘柄に極端に偏った配分が出ることがあります。理論上は正しくても、実務ではそのまま使いにくい理由です。
前提が少し変わるだけで、結果が大きく動く期待リターンを 0.5% 変えただけで、配分が極端に偏ることがある元の前提期待リターンどおり35%30%25%株式A35%株式B30%債券25%現金10%わずかな変更少しだけ変更リターンを 0.5% 調整70%20%株式A70%株式B5%債券20%現金5%これが平均分散最適化の「前提に敏感すぎる」という弱点

Black-Littermanは何を補っているのか

Black-Litterman は、この 極端な配分になりやすい という弱点を抑えやすくするためのモデルです。発想としては、まず市場全体がどう配分されているかを土台に置き、そのうえで自分の見通しを少しだけ反映させます。最初から全部を自分の予想だけで決めないため、配分が飛びすぎにくくなります。

機関投資家やロボアドバイザーで Black-Litterman がよく使われるのは、この 土台から少しずつ調整する 形が実務に合っているからです。平均分散最適化よりも、ちょうどよい配分を作りやすいと考えられています。

Black-Litterman は「土台 + 微調整」で配分を考える
まず市場全体の配分を出発点にし、そこに自分の見通しを少しだけ加えます。最初から全部を予想で決めないので、極端な偏りが出にくくなります。
Black-Litterman — 市場の土台に見通しを少しだけ足す全部を自分の予想で決めないから、配分が飛びすぎにくい1市場の配分を土台に時価総額の比率= 市場全体の見方まず偏りのない出発点2自分の見通しを加える「米国株は少し強い」「債券は弱めかも」控えめに反映する3調整された配分極端に偏らない現実的な比率に土台 + 微調整 = 安定機関投資家やロボアドバイザーで広く使われている理由は、この安定感にある

個人投資家はどう読めばよいか

個人投資家が最初に押さえたいのは、モデルの数式を暗記することではありません。まずは、効率的な比率を考えるための基本形が平均分散最適化その弱点を抑えやすい発展形が Black-Litterman と整理できれば十分です。そのうえで、実際の配分を決めるときは、第4章の本文に戻って、効率的フロンティアのどこが自分のリスク許容度に合うかを考える流れが自然です。

モデル名より『何を比べるための道具か』を押さえる方が重要です

平均分散最適化も Black-Litterman も、未来を当てるための仕組みではありません。同じ商品を持つなら、どの比率がより筋が通っているかを考えるための道具として読むと分かりやすくなります。

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