3-5 ETFと投資信託をどう使い分ける?
ETF と投資信託の違いが、中身より使い方と分配金の受け取り方に出やすいことを整理するページです
3-4 までで、投資信託の中身、運用方針、選び方、分配方針を見てきました。ここで最後に押さえたいのが ETF との違いです。ETF も投資信託も、どちらも分散投資しやすい商品です。ただし、違いは 何を持つか より どう使うか に出やすくなります。ETF は上場している投資信託なので、株式のように取引所で売買できる一方、投資信託のようにファンド内再投資を前提に持つというより、分配金を受け取って自分で使い道を決めたい場面に向くことがあります。
- ETF は取引所で売買できる投資信託で、値段の付き方や使い勝手に特徴があります。
- ETF と投資信託の違いは、買い方、価格の付き方、分配金の扱いに出やすいです。
- 積み立てて再投資を続けたいなら、投資信託の方が扱いやすいことが多いです。
- NISA などの非課税口座で、分配金を現金で受け取りたいときは ETF が候補になります。
- 債券 ETF のように、値動きを株式より抑えたい資産から利子相当の分配を受け取りたい場面もあります。
- 商品選びは、
再投資したいのか受け取りたいのかという運用スタイルから考える方が整理しやすくなります。
| 項目 | 投資信託 | ETF |
|---|---|---|
| 買い方 | 1日1回の基準価額で買う | 取引時間中に市場価格で売買する |
| 積み立て | 自動積み立てと相性がよい | できる証券会社もあるが、投資信託より手間が出やすい |
| 分配金 | 無分配・再投資型が多い | 分配金を受け取る設計の商品が多い |
| 注文方法 | 日中の値段を見ながら細かく注文はしにくい | 成行や指値で売買しやすい |
| 向きやすい使い方 | 長期で淡々と積み立てて増やす | 分配金を受け取る、売買方法を使い分ける |
1. 中身が近くても、買い方と値段の付き方が違う
違いを先に一覧で見ると、ETF と投資信託の差は 中身 より 買い方 価格の付き方 分配金の扱い に出やすいと分かります。投資信託は、1日1回の 基準価額 で買う商品です。一方で ETF は、取引時間中に市場価格で売買します。だから、同じ指数に連動する商品でも、日中の値動きを見ながら売買できるかどうか、売買コストやスプレッドを意識するかどうかに違いが出ます。
ここで大事なのは、ETF の方が 上級者向けで優れている と決めつけないことです。実際には、同じ中身でも どんな持ち方をしたいか によって向き不向きが変わります。
2. 淡々と積み立てるなら、投資信託が向きやすい
NISA で毎月淡々と積み立てるなら、投資信託の方が扱いやすいことが多いです。自動積み立てや再投資がしやすく、日々の値段を細かく見なくても続けやすいからです。
分配金を受け取るより再投資を続けたい人にとっても、投資信託は管理を仕組み化しやすい商品です。長期で 続けやすさ を優先するなら、投資信託の方が自然なことが多くなります。
3. 分配金を受け取りたいなら、ETF が向く場面もある
ETF ならではの指数や資産へ投資したいときだけでなく、分配金を自分で受け取りたい ときにも ETF は候補になります。ETF は分配金を出す設計の商品が多く、投資信託のようにファンドの中で自動的に再投資される前提ではありません。そのため、NISA などの非課税口座で定期的に分配金を受け取りたい人にとっては、使い分ける意味があります。
たとえば、値動きを株式より抑えたいときに債券 ETF を持ち、そこから出る利子相当の分配金を受け取って生活費の一部に回したり、別の用途に使ったりする考え方があります。こうした使い方では、ファンドの中で増やす より 自分の口座で受け取って使う ことに意味があります。ただし、債券 ETF でも価格は動きますし、NISA での分配金の非課税扱いは受取方法によって変わるので、証券会社の案内も確認しておく必要があります。
ここまでで持ちたいのは、ETF と投資信託の差を 商品そのものの優劣 ではなく 再投資を続けたいのか 分配金を受け取りたいのか という運用スタイルの違いとして見る感覚です。第3章はここまでです。次は 4-1 ポートフォリオって何? へ進み、ここまで見てきた商品を 何をどれだけ持つか という全体設計につなげます。