資産運用のイロハ第4章 ポートフォリオを作る

4-5 平均分散最適化は何をしたい?

期待リターンと分散のバランスで、効率のよい配分を探す考え方を整理するページです

平均分散最適化は、ポートフォリオ理論の代表的な出発点です。やりたいことはシンプルで、できるだけ高い期待リターンを取りたいが、同時にリスクは抑えたい という二つの目的のバランスを取ることです。

このページで押さえたいこと
  • 平均分散最適化は、期待リターンと分散のバランスで配分を探す考え方です。
  • 分散効果は、各資産のリスクだけでなく相関で決まります。
  • 理論としては便利ですが、期待リターンや相関の前提にかなり敏感です。

何を最適化しているのか

平均分散最適化では、各資産の期待リターンと、資産同士の共分散を材料にして、同じリスクならより高いリターン 同じリターンならより低いリスク になる配分を探します。

便利なところ

平均分散最適化の見どころ
観点何が便利か注意点
全体設計商品単体ではなく全体の効率を考えられる個別商品の魅力だけでは答えが決まらない
相関の活用動きが違う資産を組み合わせる意味が見える相関は固定ではなく変わる
比較の軸効率フロンティアの発想で配分を比べられる入力前提が弱いと結論も弱くなる

なぜ答えがぶれやすいのか

平均分散最適化が難しいのは、入力にとても敏感なことです。特に期待リターンは少し変えるだけで、最適配分が大きく飛ぶことがあります。

  • 期待リターンを少し上げただけで、その資産へ過剰に寄る
  • 相関や分散の推定誤差で、結果が大きく変わる
  • 見た目にはきれいでも、現実には持ちにくい極端な配分が出る

どう理解すると実務的か

平均分散最適化を この通りに持てば正解 と考えると危うくなります。むしろ、次のように使う方が自然です。

  1. 分散がなぜ効くのかを理解する
  2. 相関が全体設計で重要だと理解する
  3. 極端な配分が出る理由を知り、前提の弱さを意識する

初学者がここで持ち帰りたいこと

  • 相関が低い組み合わせには意味がある
  • 良い商品を集めることと、効率のよい組み合わせを作ることは別
  • 期待リターンの前提はとても難しいので、理論どおりの一点解を盲信しない
平均分散最適化は『答えを受け取る理論』より『何が効くかを理解する理論』です

何が全体リスクを押し上げ、なぜ分散が効くのかを整理するにはとても有用です。ただし、入力の弱さまで忘れてしまうと、理論のきれいさに引っ張られすぎます。

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