2-4 配当とは何か
株式から得られる配当の仕組み、自社株買いとの違い、そして企業が利益をどう使うかという視点を解説します
2-3 株価が動いた理由を整理する までは株価の動きを見てきましたが、ここからは株式投資のもう一つの大きな柱である 「配当」 について見ていきます。
配当を単に「株を持っていると定期的にもらえるお小遣い」として受け取るだけでなく、「会社が稼いだ純利益を、株主にどのように分けているか」という視点で捉えると、企業の姿勢がよく見えるようになります。
- 配当とは、会社が事業で稼いだ利益の一部を、持っている株数に応じて株主に現金で分ける仕組みです。
- 株主への利益の還元方法には、現金で配る「配当」のほかに、市場から自社の株を買い戻す「自社株買い」もあります。
- 配当金は、預金の利息や債券の利子と違って、将来も必ずもらえると約束されたものではありません。
- 配当が出ているかどうかだけでなく、「事業の拡大(再投資)」「会社の貯蓄」「株主への還元」にどのようなバランスでお金を使っているかを見ることが大切です。
1. 配当の仕組み
会社が1年間の事業活動で稼いだ純利益をどう使うかは、取締役会や株主総会で話し合って決められます。
配当金は、持っている株の数に応じてすべての株主に平等に配られます。株価の値上がり益は実際に株を売るまで手元に入りませんが、配当金は現金として自分の口座に直接振り込まれるため、日々の生活費やお小遣い、あるいは次の投資資金として使いやすいのが特徴です。
2. 配当と自社株買い:利益を株主に分ける2つの方法
会社が稼いだ利益を株主に分ける代表的な方法には、現金で支払う配当のほかに 「自社株買い」 があります。
- 現金配当: 株主に直接現金を支払います。現金が手に入るわかりやすさがありますが、受け取るときに約20%の税金がかかります。
- 自社株買い: 会社が自分のお金を使って、市場に出回っている自分の会社の株を買い戻します。市場にある株の数が減るため、残った「1株あたりの価値」が自然と高くなり、株価の上昇につながりやすくなります。直接現金を配るわけではないので、受け取り時の税金がかかりません。
そのため、「配当を出していない会社=株主を大切にしていない会社」とは限りません。配当の代わりに自社株買いを積極的に行う会社や、配当を出さずに成長事業へ積極投資して株価を何倍にも伸ばす会社も、株主にとって大きな価値を生み出しています。
詳しくは、コラム 配当を出さない会社は悪い会社? でも解説しています。
3. 配当は「約束された利息」ではない
配当について特に注意しておきたいのは、「企業の業績が悪くなれば、配当は減らされることがある」 という点です。
銀行預金の利息や国債の利子と違って、企業には配当を支払い続ける法的な義務はありません。業績が悪化したり、工場建設などの大きな支出が必要になったりした場合、会社は配当を減らしたり(減配)、配当をゼロにしたり(無配)することがあります。
配当が減らされると、受け取れるお金が減るだけでなく、がっかりした投資家の売りによって株価そのものも大きく下がることがよくあります。
そのため、配当株を選ぶときは「いま利回りが高いか」だけでなく、「今後も無理なく配当を出し続けられるか」を確かめることが大切です。
次節 2-5 配当をどう見るか では、無理のない配当かどうかを見分けるための具体的な数字(配当利回り、配当性向など)の見方を学びます。