VelphaDocs
資産運用のイロハ第1章 土台を作る

1-3 主な商品のリスクとリターン

預金、債券、株式、REIT、金(ゴールド)、暗号資産などの特徴と値動きの違いを比べます

1-2 リスクとリターン でリスクとリターンの基本的な考え方を押さえたところで、このページでは代表的な金融商品の特徴を同じものさしで比べていきます。

元本が減らない預金から、企業の成長に合わせて増えていく株式、不動産の家賃収入を狙うREIT、そして値動きの激しい金や暗号資産まで、商品によって増え方や値下がりのリスクは大きく異なります。

このページで押さえたいこと
  • 過去の値動きを見るときは、「どれが一番儲かったか」ではなく、「下がったときにどれくらい落ち込んだか」の大きさを確認します。
  • 各商品のリスクとリターンは、「低・中・高」の大枠で整理できます。
  • 預金や国債は「お金を減らさない守り」、株式やREITは「物価の上昇に負けずに資産を増やす攻め」の役割を持ちます。
  • 投資信託やETFは、それ自体が特定の性格を持つというよりも、「中にどんな商品を詰め込んでいるか」によって値動きが決まります。
  • 金や暗号資産は利息や配当を生まないため、価格そのものの値上がり・値下がりだけが損益になります。

1. 過去の値動きからブレの大きさを知る

下のグラフは、主な金融商品の過去の価格の動きを比較したチャートです。

ここで大切なのは、「過去に一番上がったのはどれか」という順位争いを見ることではありません。景気の良し悪しや世の中の状況によって、どの商品が有利かは時期によって入れ替わります。

2021年4月末を100とした時系列
2021年4月末から2026年3月末までの月末ベースです。預金は2026年3月時点の1年定期金利0.425%を一定とした参考線です。

確認しておきたいのは、「相場が荒れたときに、それぞれどれくらい大きく値下がりしたか」 という落ち込みの深さです。 数パーセントずつ手堅く増えていく商品もあれば、時期によっては30%〜50%以上も急落する商品もあります。長く投資を続けるためには、自分が選ぶ商品が「下がったときにどれくらい落ち込む可能性があるか」をあらかじめ知っておくことが大切です。

2. 主な商品のリスクとリターン

それぞれの特徴を、「期待できるリターン(増えやすさ)」と「リスク(値動きの大きさ)」で整理してみましょう。

低リスク
上下はあるものの、保有中の負担は比較的小さい。
中リスク
途中で大きめの値動きがあり、人によっては不安を感じやすい。
高リスク
大きく増える可能性がある一方で、大きく下がることもあり、許容しにくい値動きになりやすい。

主な商品の特徴まとめ

商品リターンリスクリターンの中心
預金低低金利の積み上げ
先進国債券低低利息収入と景気悪化局面の下支え
REIT中中賃料収入と不動産市況の回復
株式中中企業利益の成長と配当
金高中通貨不安やインフレ、地政学リスク時の逃避需要
コモディティ高高資源価格の上昇とインフレ連動
仮想通貨高高採用期待と需給主導の価格上昇

1. 預金・債券(元本を守る、定期的な利息)

  • 普通預金・定期預金: 銀行が破綻しても1,000万円までは元本が保護され、価格が下がることはありません。ただし、金利が物価の上昇率(インフレ)より低いと、実質的なお金の価値が目減りしてしまう弱点があります。
  • 債券(国債・社債): 国や企業にお金を貸し、定期的に利子を受け取りながら、満期になったら元本を返してもらう商品です。途中で売る場合は価格が上下しますが、一般的に株式よりも値動きが穏やかで、資産全体の守りの役割を果たします。

2. 株式・REIT(経済の成長、不動産の収入)

  • 株式: 会社に出資して株主になる商品です。会社の利益成長や配当によって大きく増えるチャンスがある一方で、業績の悪化や不況時には30%以上値下がりすることもある、ハイリスク・ハイリターンの代表です。
  • REIT(不動産投資信託): オフィスビルやマンション、物流施設などの不動産に投資し、得られた家賃収入を投資家に分配する商品です。利益のほとんどを分配金として配る仕組みのため、高めの配当が期待できますが、金利の上昇や不動産市況の影響を受けます。

3. 投資信託・ETF(詰め合わせパック)

  • 投資信託・ETF: たくさんの株式や債券をひとつにまとめた商品です。「投資信託」というひとつの商品があるわけではなく、「中身が全世界の株式なのか」「日本の国債なのか」によって、増えやすさも値下がりのリスクも全く異なります。

4. 金(ゴールド)・暗号資産(利息を生まない資産)

  • 金(ゴールド): 現物の金は持っているだけでは利息や配当を生みません。しかし、世界共通の価値を持つ実物資産として、戦争や不況、インフレのときの資産の逃避先として選ばれます。
  • 暗号資産(ビットコインなど): インターネット上の電子的な資産です。将来への期待から大きく値上がりすることがある一方で、価格の上がり下がりが極めて激しく、元本が大きく減るリスクも非常に高い商品です。

それぞれの商品の特徴が分かると、「自分の目的にはどの商品をどれくらい組み合わせればよいか」を考えやすくなります。

続く第2章では、多くの人が資産運用の中心に選ぶ「株式」について、株価が動く仕組みや配当の読み解き方を詳しく見ていきます。

このページの内容